[読了]θ 11番ホームの妖精

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[/RAW]θ―11番ホームの妖精 (電撃文庫 と 10-1)
θ―11番ホームの妖精 (電撃文庫 と 10-1)
籘真 千歳
アスキー・メディアワークス 2008-04

あらすじ

あらすじコピペ用
[RAW]

電撃公式サイトの刊行予定で、先月頃からビビっときてずっと気になってた作品だったのですがようやく手にとることができました!

なかなか好みそうな作品という印象でしたが、読み終わってみてもやっぱり好みな作品でした :roll:

“鏡と狼と人工知能”

一見ピンとこないキーワードの連続ですが、これらの三つのキーワードをテーマに東京駅のはるか上空2200mで繰り広げられる物語です。

舞台は近未来の23世紀頃の東京駅。第七世代の人工知能が登場し、高密度次元圧縮交通―通称 C.D. による交通網が普及している以外は特に変わりなく東京駅は今日も稼動しています。

しかし、主人公の3等駅員T.B.に狼の姿をしたアンドロイドの義経、無愛想なA.Iのアリスたち”3人”が勤務する11番ホームは東京駅はるか上空2200m。

そんな 非日常オンパレード な空間なのですが、どこかまったりとしていて微笑ましいのです。

しかしその特殊な性格故に政治的な策略、日本国内の開国主義派 vs 鎖国主義派の思惑が合わさって大騒動に巻き込まれていく・・・。

この、

―のほほんとした時間がゆっくり流れていくような非日常の世界観

と、

―複雑な政治情勢と軍事的な策略がうずめく様子が強烈な”日常”を呼び起こす

対比 が大変印象的な作品でした。

徐々に明らかになっていくT.B.と国の重要機密の関係、点と線がつながって一つになっていく様子に脳汁がでまくり。

ちょっぴり天然でニブいけど、とっても聡明なんです。

メインヒロインの T.B. こと紡防躑躅子(ぼうさきつつじこ)、全身義体<<フル・サイボーグ>>のその体は

私はボレロ風の上着のボタンを外し、襟元のスカーフを少し緩めました。そして上着を肩からゆっくりとはだけ、

体を斜めにしてシャツに包まれた胸を突き出すように立ちます。

「……何か?」

「……ええと、何も感じません?」

「何も」

……そーですか、私では色気が足りませんか。

「どうせ子供の身体ですよ、ふん!」

と、幼児体形ながらもがんばってます。 150歳 ですけど。 * 1

緊迫した場面でもさらりと流してしまいますが、頭の回転の速さと物事のつながりを見抜く洞察の鋭さ。

おちゃめながらも聡明なところが実に良い。

彼女からなんとなく人類は衰退しましたの少女を思い出したのは自分だけだろうか。 * 2

その他、パワフルでいつも大音量な西晒湖先生など強烈な個性を放つキャラばかりで、実にキャラ作りがうまいなぁと感じました。

というか、普通の人は出てこない?

肥大化したネットワークは小さな脅威が大きな猛威を振るう

高度に発達したネットワーク網と、世界の距離を一気に縮めてしまう C.D. 交通網が特徴的な世界なのですが、

情報ネットワークが世界の距離を縮めてしまうくらい強大な存在になるということは、裏を返すとーちょっとした亀裂・”脅威”が発生するだけで、そのとてつもない影響力によって甚大な被害をもたらしてしまう。

とても脆弱なものなのではないか。

――これがなにか未来の姿をみているようで容易に想像できてしまった。

この物語に出てくるSFな要素には所々あやしいものも有るんですが、これに関してはとてもリアリティが感じられましたねー。

政治的戦略と母性の狭間で

1章の序盤のまったりした空気はすっかり吹き飛んでしまって裏でひしめきあう緊張した政治情勢や軍事的な戦略を中心に物語は進んでいくのですが、それはあくまでサブの要素で物語の中心は”あたたかいもの”が中心だったのがよかったと思います。

このバランスが絶妙で、危うさを秘めた展開に最後までハラハラドキドキすることができました。

最後のシーンが実に素晴らしくて、言葉では伝えづらいけど、贈り物に込められたメッセージにはキュンときてしまった :cry:

もし、SFと政治的要素だけで終わってしまっていたら 変わった作品だったなぁ~ だけでしたが、なんとも読了感心地よい なんか…好きだなぁ~という作品になってしまいました。

快晴の日、真っ青な晴天を見上げながら・・・

「くるくるくる~、くるくるくるくる~」

と口ずさんでみたくなるかも

感想リンク

  1. 約150歳 [ ↩back ]
  2. 田中ロミオ著 お気に入りのシリーズながらもレビューしてなかったり。。 [ ↩back ]

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Itary亜人:ラノベと深夜アニメが主食の装飾系(webデザイン趣向的な意味で)ヘタレ男子。
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