- 人類は衰退しました 3
- 田中 ロミオ 山崎 透
- 小学館 2008-04-19
あらすじ
妖精さんにも弱点が!?
認識能力が衰えていき、収束していく感覚……世界はみるみるうちに縮小し己の感覚が衰退していく描写がなんともリアルな前巻でしたが、
今作では初めて身体的な危機が訪れます。
きっと妖精さんならなんとかしてくれる!……はずなんですが。
「いとまごいに、きたです」
「暇乞い? お別れの挨拶ということですか?」
というわけで”ある弱点”をから逃れる為、妖精さん達が里帰りしてしまいます。
妖精さんの意外な一面にびっくり。
そして・・・
人類の失われた技術を発掘し、歩んできた軌跡を残さんとする
ヒト・モニュメント計画
その調査活動を遂行するため、怪しげなドーム状の都市遺跡へ歩を進めるのですが
今作は初めての冒険モノ。
というよりヒーローアクション!?
ちょっとした好奇心が祟って、辺り一面真っ暗らな都市遺跡で
“私”と”助手さん”のふたりきりになってしまいます。
二人を徐々に蝕むように迫りくる疲労と渇き。
リアルに命の危機に瀕してしまいます。
そんな極限状態で追い討ちをかけるが如く、更なる魔の手が……!
絶対絶命大ピンチ……と思いきゃ心強い助っ人が…………!?
というわけで
にぎやかな新キャラたちも登場し、
1・2巻とはまた違ったアクロバティックなバトルアクションが楽しめました。
しかし、普通のバトルものと違い
敵も味方もみんな本当に楽しそうなんです。
全員がそれぞれの立場を楽しんでいるような気がして、とってもほのぼのとした気持ちで見守ることができました。
寡黙な助手さんも良い味を出してますよ?
そして随所に溢れるパロディがまたロミオ氏らしい。
TRPGや遊○王にドラ×エといったピー・まるまる・ズッキューンな代物をうまく言葉を濁して表現する文章力にお手上げです
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ス○イムとかロード××ラーとかも出てきますし。
ロミオ節大炸裂
「じゃあいきましょう。きれいな水を見つければ、こんな葛藤ともオサラバですよ」
そう、たいしたことじゃない。乗り越えられる問題。きっと助かる。
言い聞かせながら、再び足を前に出します。
助かるにきまってます。
明日には水も漏らさぬ警備体制の庶民に大きく水をあけた贅沢なつくりのVIPルームでウォーターベッドに身を預け、大瓶に満たした水をらっぱ飲みしながら水パイプをふかし、一粒の麦も笑み出さぬ無為な水掛け論に明け暮れ、相手に水を向けたり話題に水を差したりと翻弄する様が魚の水を得たようなでありながらも、最後には冷水を浴びながらお互いの失言を水に流すという神々しい計画。
……まあ無理としても、この半分くらいは手配していただきたいものです。
リズミカルな文体に、自らの状況に皮肉を込めて揶揄された文章に脳汁が止まりません。
いったいどこからこんなにも絶妙な言い回しが出てくるんだ!
凄まじいまでの語彙力に驚嘆させられます。
SFな要素も出てきましたねー。
人類が衰退期にさしかかっているということは、紛れも無く未来の世界なんですが
いままで特に語られることのなかった未来的な要素少し語られました。
といっても断絶して忘却された世界ですけど。 * 1
バウンドケーキのように肥大化して行き、巨大構造体となってしまった都市というとまるで未来の東京の姿を示唆しているみたいですね。
しかし、これに対しての受け答えが
「……言ってみればインドア国家だったわけですよ」
「まちぐるみでひきこもりかー」
その発想はなかったわwwww
なんというかこの研ぎ澄まされた ダメオーラ が好きで好きでたまらないです。
少しずつ明らかになってきた世界観ですが、
妖精さんに関してはまたひとつ謎が増えたようなきがしますね~。
まとめ
丸々1本の長編となかなかのボリュームな1冊でした。
しかし不思議と読了感はマッタリとした感じだったり。
疲れているときにまた読み返したいなる不思議な感覚。
1・2巻も久しぶりに読み返して後ほどレビューしたいなぁー。
助手さんの絵本『ティードラゴンと鉢植えの都市』 * 2 にはグッときてしまいました。
ごちそうさまぁっ♪

















