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暗く、深い、夜の泉 (一迅社文庫 は 1-2) (一迅社文庫 は 1-2)
- 萩原 麻里
- 一迅社
自動車事故で父親を亡くした「佐原左記子」は、転入先の全寮制の谷津柱高校で、ある規則を耳にする。
“この地に伝わる怪談を口にしてはならない”
そう語る理事長の娘「倉宮凪」の忠告に関わらず、偶然か必然か左記子は「タタリ姫」伝承の影に引き込まれ、周囲に不穏な事件が頻発していく。なぜ左記子が……その秘密に気づいたとき、恐ろしい事実が……。
萩原麻里の幻の学園ダークファンタジー、満を持してここに復活。
例えるなら……つんと鼻を刺すような薬品の香りの如き狂気。
あのなんともいえない不快感と底知れぬ狂気の香りが漂うサスペンスノベルです。
これは面白かった。
唯でさえ不気味な洋館の佇まいの校舎で起こる狂気の事件の数々に痺れを切らせて参っていく主人公左記子の描写がリアルでしたねぇ。
周りにいる生徒達も全員信頼できる人間じゃないことが徐々に分かってきて疑心暗鬼に駆られていくんですよね。そこでやっと事件の全貌が見えてきて信頼できる人間も判明してくるのだけど同時に不気味な学校と組織の構図が見えてきて左記子はフォールドできないゲームと錯覚して降りない決意を固めてしまう。
人間の心理を巧みに操る技術と左記子の浅はかさが同時に浮き彫りになってくるのですが……左記子はさらにレイズして深みにはまっていってしまって……やはり心の弱い部分を突かれると冷静な判断ができなくなってしまうのかもしれませんね。
しかし、いけないとわかっていながらも気になってしまういけない好奇心も原因の一つなんですが。
誰も信用できない状況での切羽つまった駆け引きが学校ならざる異世界を演出していて魅了されますね~このスリルがたまらない。
それにしてもラストはそう来たか……と驚かされました~!
結局テーマの主軸となっているのは人の心の脆い部分で、幻想症候群とは違い――人の心の暗い部分からアプローチして残酷までに描き出した作品だったと思います。


















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