[読了]ベネズエラ・ビター・ マイ・スウィート

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あらすじ

「僕、女の子を殺したんだ」――始まりは、思いがけない人物からのそんな電話。どこか満たされない日々を送る高校生の明海は、孤高の歌姫に魅せられた同級生の少年・神野の信じがたいような昔話をいともあっさりと受け入れてしまう。なぜなら明海も小学生の頃、神野と同じく一人の少女を殺めたことがあるからだった――。よみがえるひと夏の記憶、殺されるためだけに存在する「イケニエビト」の少女、人の記憶を食らう「タマシイビト」からの逃避行。第4回MF文庫Jライトノベル新人賞<優秀賞>受賞作。三人の少年少女によるビター・スウィート・ストーリー。

化学反応系ノスタルジー

『僕、女の子を殺したんだ』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「私は信じるよ」

その一歩先に踏み出すには勇気がいった。

「だって、私もその子を殺したから。小学生のときに」

爽やかな夏の微風が運んでくるのは遠い過去の人殺しの香り。

どこまでも透き通るような青空が広がる……そんな夏の田舎の風景に、人殺しという要素が加わることでなんともいえない奇妙なノスタルジーを演出していたのではないかと思います。

少女二人と少年一人の淡いひと夏の青春ストーリー。

イケニエビトとタマシイビトの関係という視点から、人と人との心の繋がりのあり方を描いた作品でした。

まず、圧倒的な筆力に驚かされましたね~。

軽快な文体で綴られる世界観がとても洗練されていて、あっという間に物語に引き込まれてしまいます。

続きをテンポ良く促す裏で、田舎ののどかな景色がどこまでも広がっていくような美しさがありました。

ただ、この1冊で完結しているというか圧倒的な人気の出そうなスター性のようなものは感じられませんでしたね~。淡々と甘酸っぱい青春と記憶をなぞっていく日々を描いた良くも悪くも地味な作風。

雰囲気で見せる作品でしたね。

あー実祈可愛いよ実祈っ!!

ど真ん中ストライクにタイプだから困る。端整な顔立ちに控えめの体つき、そして相容れない無愛想さがそそります。。

「実祈、これから住むあて決めてないんだよね」

「そうだけど」

「だったら私の妹にならない? ……」

このやり取りは正直興奮した。

実祈のことが大好きでしょうがない明海が思わず自分の妹にならないと誘うシーンは失神モノでした。

あぁこれぞ素晴らしき百合の世界。

抵抗せずに、甘んじて受け入れる実祈も堪らないですね。

おっとそんな話じゃなかった……!

肝心の(?)音楽関連のシーンは

これも一筋縄ではいきません。

どちらかというと副次的な要素が強く、最初イメージしていたような爽やかな学園祭バンドモノではありません。

しかしながら、物語に彩りを添えるような役割を果たしていて「ベネズエラー・ビター」を象徴するような要素でした。

というわけで

やはりどうにもこうにも雰囲気を楽しむ物語。

この雰囲気が素晴らしいくらいに一級品なので是非とも手にとって味わって頂きたい。

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