[読了]泣空ヒツギの死者蘇生学

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泣空ヒツギの死者蘇生学 (電撃文庫 あ 26-1)
泣空ヒツギの死者蘇生学 (電撃文庫 あ 26-1)
相生 生音
アスキー・メディアワークス

あらすじ

あなたは しにました。

人生初のラブレターをもらい、幸せの絶頂にあった氏姓偲の人生は、突如後頭部に叩き込まれた一撃で唐突に断ち切られてしまう。

死んだはずの偲が目を覚ますと、目の前には黒ずくめの少女・泣空ヒツギが立っていた。死者を蘇生させる特殊な能力を持ち、巷で噂の連続猟奇殺人の犯人でもあるらしい不機嫌少女の凶行を止めるため、偲はいやいやながらも彼女の「実験」に従うことにしたのだが……。

第二の人生を強制的に歩まされることになった死人と、彼に執着する少女たちが織りなすネクロマンティック・ラブストーリー開幕。

まさに、ネクロマンティック・ラブストーリー

「さっき言ったことは守ってくれるんでしょうね……」

「ああ、守ってやるよ」

「嘘吐いたら、酷いことになるわよ」

「だったら、なおさら破れねぇな」

「責任、とってよね」

いろんな意味で凄かった。 最初は回りくどいまでの説明調な文体に辟易としながら読み進めていたんですが、これは確かに説明されないと理解できない。説明過多なくらいが丁度良い。それくらい、重くて激しい感情論の応酬。

これはこの展開に導くためだったのだな、と納得してしまいました。

とにかくすべてにおいて、過剰。

ヒツギの本質が明らかになった時点で先の展開は読めてしまったんですが、いろんな意味で想像以上でしたねぇ。正解だったけれど半分だけでしたという感じ。凄まじいまでの激情、驚くほどに乱暴で吐き捨てるように紡がれる言葉の応酬は圧巻でした。良い意味で予想を裏切られた。これだけ凄まじい女の子が出てくるお話も滅多にないんじゃないかなぁ。

とある秘密が明らかになってからのヒツギは可愛くて仕方ありませんでしたね~。見まごう事なきツンデレ。但し、若干感覚はずれてますが。

ヒツギの弱い部分を偲がしっかりと受け止めたことによって、二人に主従関係を超えて結ばれた絆の”糸”が美しく輝いていました。

まだまだ抜き出すべき台詞は沢山あるんですが、いずれもネタばれになってしまう台詞が多かったので苦心しました。残りは本編でご確認ください。

特に約2ページにわたって続く、魂の叫び如き慟哭には圧倒されました。

こんな長い台詞喋ったヒロインは今まで読んだ本で初めてです! 余談ですが、どうみてもヒツギがくぎゅボイスで脳内再生されて仕方ありません。なんというくぎゅヒロイン。慎ましやかな体つきも溜まりませんが、巻頭イラストの見えそうで見えないひんぬーさ具合が逸脱。あと、埋はやっぱり脳内ボイスは福原香織さんかなぁ。つかさと雰囲気が被ってしかたなかったです。

本作はイラストも物語の臨場感を助長しているので是非チェックしてみてください。

激しさの伝わってくるような、捩れた狂気を感じさせる挿絵が逸脱です。

印象としては

やはりどうにもくどいくらいの説明調が苦手だったかなぁ。

特に序盤はぎこちなさというか、登場人物の台詞に喋らされている感を感じたんですよね。

作者という第三者の”人形師”が、物語の糸を操っている様子を見ているような違和感がありました。

とはいっても後半の怒涛のラストスパートは圧巻で、設定としてはありがちな部類なんですが、この物語でしか見れないような個性を垣間見たのも事実です。

体感温度が3℃は寒くなります。

この文体が肌に合う人にはかなり響くんじゃないかなぁ。それだけの激しいパワーも感じられました。

やはり激しく人を選ぶ作品だと思います。

もしかすると2巻以降が発売された場合にどっと化けるかも、そういう期待感を感じさせてくれる作品でした。

ヒツギ可愛いよヒツギ。

泣空ヒツギの死者蘇生学 (電撃文庫)
泣空ヒツギの死者蘇生学 (電撃文庫)
相生 生音

アスキーメディアワークス

2008-10-10

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Itary亜人:ラノベと深夜アニメが主食の装飾系(webデザイン趣向的な意味で)ヘタレ男子。
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