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境界線上のホライゾン 1上 (1) (電撃文庫 か 5-30 GENESISシリーズ)
- 川上 稔
- アスキー・メディアワークス
川上 稔が贈る待望の新シリーズ、遂にスタート!
各国により分割統治された中世の神州・日本。その上空を8隻からなる都市艦“武蔵”が航行していく――。
遙か遠い未来。“重奏統合争乱”を経て、人類の命運を懸けた“聖譜”をもとに歴史の再現を行う国々。そして、さまざまな思惑と決意を胸に、未来を切り拓こうとする人々。
重なり合う中世の世界を舞台に、学生達による学園国家間の抗争が始まろうとしていた!
AHEADシリーズ『終わりのクロニクル』と都市シリーズの間の時代を描く、壮大な物語“GENESIS”シリーズ、遂にスタート!
『危機、……極東の危機なんかより恐ろしいのは、ただひとつだよ』
いいかい?
『末世だ。――この世の滅び。それは全世界の生徒に対する最高のエンターテインメントだ』
いや~凄かった。のっけから凄まじい展開の応酬にGENESISシリーズの壮大な幕開けを痛感したのでした。
重奏世界の消滅により、重奏世界と神州の全面戦争で打ち負けて降伏することになった神州。かつての神州が根をおろしていた極東(日本)の領土は各国に分割され、極東の住人は極東の遥か上空を飛ぶ航空都市艦軍<武蔵>へと追いやられることになった。
そんな中で再び歴史再現を繰り返していた世界に突如異変が起こる。歴史再現の指標となっていた聖譜の歴史記述の更新が停止し、世界の終わり末世の到来を意味づける。
そして今年がその最後の記述年である一六四八年。
とある出来事により、壮大な幕開け演じた<末世の始まり>を描いた1巻です。
9つ目の大罪武装(ロイズモイ・オプロ)の存在がその世界の運命を左右すると示唆されることで運命を変える唯一のキーを手に入れようと世界が動き始めましたね。
ここまでが本書の範囲。
大幅に端折りましたが、ネタバレせずに要約するとこんな感じです。
見事にはまりました。設定オタにはたまりませんね。このGENESISシリーズを読んで川上稔らしさというのを存分に痛感した気がします。
世界観を構成する要素の1つ1つはどうみてもファンタジーなんですが、そこに政治的な思惑や人々の生き様が描かれることで妙な現実味(リアルさ)があります。
そこに生きる人々の当たり前の日常を描くために、そこから派生するさまざまな事象を蜘蛛の巣状にマインドマップ的な広がりをみせて世界観を作りこんでしまうのがこの人なんですよね。
とある登場人物がある製品を使っているとしたら、その製造会社自体や製造年月日と使われた背景まで設定しつくしてしまうのです。
そうして張り巡らされた無数の網の中から一本の線を引いて、ひとつの物語が出来上がる。
こうして登場人物たちが実際に体験した壮大な歴史書が出来上がるのです。その歴史を読み解いて、ある意味俯瞰した視点で見せられる読者の立場を考えると歴史書という表現が正しいのかなと思います。
ここまでくると、まさにできるかできないかの世界ですよね。
各人思い描くものがあっても、一番形にすることが難しい部類に入る手法なのではないでしょうか。
だからこそ、この圧倒的リアルさに魅了されてしまう。
同じような方向性として、好きな人向けに 空想東京百景 をおすすめしてみます。
(まとまりのなさという意味ではやや難易度は上がりますが)川上稔ファンなら楽しめるのではないかと。
閑話休題。
「ええ、私が、――この胸を貸しましょう」
「マジで……!?」
「やべぇ、騎士はやっぱ思い切りが凄いわ……」
「まさに立場的にも硬度的にも人間の盾……!」
「じゃ、遠慮なく」
言葉と共に、ミトツダイラは、胸に感触を得た。
……え?
見れば、制服の胸に、トーリの両の五指が浅く埋まっている。
「……え、ええと」
「どうだろ」
<中略>
「ん」
「……そうか」
<中略>
「ノーブラだった」
<中略>
「感謝するぜミトツダイラ! お前のおかげで、俺、自分探しが一つ終了したからよ!」
「俺、――大丈夫だ!」
「全く駄目ですわよこの馬鹿あ――!!」
ミトツダイラ(水戸松平)だけに、まっ平ら(松平)なんですね、わかります。
あぁ、ミトツダイラのひんぬーっぷりもたまらナインですが、挿絵がかわいすぎて失神しそうです。これは思わぬところでクリティカルヒット。気高いけど純粋でウブなところがたまりません。辛辣な口調がたまらない武蔵も素敵なんですが、やはり自分はミトツダイラですね。
あぁ、パイタッチ後に盛大にぶっ飛ばされたい。。
イラスト描きたくて仕方ないんですが、ちょっと資料が少なすぎるので様子見です。
「ほらこれ見えるか先生! 今日発売されたR元服のエロゲ”ぬるはちっ!”。これ超泣かせるるらしくて初回限定版が朝から行列でさあ。俺、今日は帰宅したらこれ伝纂器(PC)に奏填(インストール)して涙ボロボロこぼしながらエロいことするんだ! ほら点蔵も欲しいだろコレ!? ――ってあれ? 点蔵は? あいつの親父、店舗別特典求めて他の店にも忍者走りで行ってたけど、あいつもそっち行ってんのかな? どう思う先生?」
と、いきなり登場してからフリーダムなトーリ。点蔵の親父の忍者走りで珈琲吹いた。
「――負けですね。どうも有難う御座いました。いろいろと下らないことも多い人生でしたが、経験的にはかなり幅広いものだったと判断できます。上下のアップダウン幅として」
「いきなり悲観的な鎧だな」
「では勝てる要因を仰って下さい」
「小僧より我のほうが年上」
「老けてるだけだと判断できます」
「では、あの小僧より我のほうが偉い」
「将来ある若者と出世打ち止め親父のどちらが意味ある存在とお思いですか」
「では、――我のほうが格好いい」
「ハイハイJud.Jud」
「……お前、悲観的どころか腹立つやつであるなあ」
そしてこちらは愛情溢れる忠勝と鹿角の掛け合い。
忠勝の少年のような受け答えと、冷め切った鹿角の反応が微笑ましいんですよね。めっさほのぼのしてますが、戦闘中で佳境のワンシーンです。全然緊張感が伝わってこないよ!
多すぎて全然書ききれませんが、一部抜粋して紹介してみました。やっぱり特に魅力的なのは格好いいオッサンたちだと思います。
たとえ悪役であってもとても人間味に溢れていて魅力的なんですよね。ヒロインに関してはP-01sが自動人形的な可愛さを醸し出していたり、オリオトライ先生が可愛いんですが、僕の好みでは順当にいけば正純ですね。性格的には一番好きなんですが、まだまだ上級者向けという印象。早くデレてほしいな。というわけで上巻の個人的MVPはミトツダイラということで。
早く下巻に着手したいところです。
若干文の荒い感想なので、下巻読み終わったら追記するかもしれません。
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