[読了]GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン1<上>

はてなブックマーク - [読了]GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン1<上>

著者イラストレーター
レーベルシリーズ名
このエントリーをはてなブックマークに追加

あらすじ

川上 稔が贈る待望の新シリーズ、遂にスタート!

各国により分割統治された中世の神州・日本。その上空を8隻からなる都市艦“武蔵”が航行していく――。

遙か遠い未来。“重奏統合争乱”を経て、人類の命運を懸けた“聖譜”をもとに歴史の再現を行う国々。そして、さまざまな思惑と決意を胸に、未来を切り拓こうとする人々。

重なり合う中世の世界を舞台に、学生達による学園国家間の抗争が始まろうとしていた!

AHEADシリーズ『終わりのクロニクル』と都市シリーズの間の時代を描く、壮大な物語“GENESIS”シリーズ、遂にスタート!

配点(幕開け)

『危機、……極東の危機なんかより恐ろしいのは、ただひとつだよ』

いいかい?

『末世だ。――この世の滅び。それは全世界の生徒に対する最高のエンターテインメントだ』

いや~凄かった。のっけから凄まじい展開の応酬にGENESISシリーズの壮大な幕開けを痛感したのでした。

重奏世界の消滅により、重奏世界と神州の全面戦争で打ち負けて降伏することになった神州。かつての神州が根をおろしていた極東(日本)の領土は各国に分割され、極東の住人は極東の遥か上空を飛ぶ航空都市艦軍<武蔵>へと追いやられることになった。

そんな中で再び歴史再現を繰り返していた世界に突如異変が起こる。歴史再現の指標となっていた聖譜の歴史記述の更新が停止し、世界の終わり末世の到来を意味づける。

そして今年がその最後の記述年である一六四八年。

とある出来事により、壮大な幕開け演じた<末世の始まり>を描いた1巻です。

9つ目の大罪武装(ロイズモイ・オプロ)の存在がその世界の運命を左右すると示唆されることで運命を変える唯一のキーを手に入れようと世界が動き始めましたね。

ここまでが本書の範囲。

大幅に端折りましたが、ネタバレせずに要約するとこんな感じです。

初・川上稔作品だったのですが

見事にはまりました。設定オタにはたまりませんね。このGENESISシリーズを読んで川上稔らしさというのを存分に痛感した気がします。

世界観を構成する要素の1つ1つはどうみてもファンタジーなんですが、そこに政治的な思惑や人々の生き様が描かれることで妙な現実味(リアルさ)があります。

そこに生きる人々の当たり前の日常を描くために、そこから派生するさまざまな事象を蜘蛛の巣状にマインドマップ的な広がりをみせて世界観を作りこんでしまうのがこの人なんですよね。

とある登場人物がある製品を使っているとしたら、その製造会社自体や製造年月日と使われた背景まで設定しつくしてしまうのです。

そうして張り巡らされた無数の網の中から一本の線を引いて、ひとつの物語が出来上がる。

こうして登場人物たちが実際に体験した壮大な歴史書が出来上がるのです。その歴史を読み解いて、ある意味俯瞰した視点で見せられる読者の立場を考えると歴史書という表現が正しいのかなと思います。

ここまでくると、まさにできるかできないかの世界ですよね。

各人思い描くものがあっても、一番形にすることが難しい部類に入る手法なのではないでしょうか。

だからこそ、この圧倒的リアルさに魅了されてしまう。

同じような方向性として、好きな人向けに空想東京百景をおすすめしてみます。

(まとまりのなさという意味ではやや難易度は上がりますが)川上稔ファンなら楽しめるのではないかと。

閑話休題。

ミトツダイラかわいいよミトツダイラ

「ええ、私が、――この胸を貸しましょう」

「マジで……!?」

「やべぇ、騎士はやっぱ思い切りが凄いわ……」

「まさに立場的にも硬度的にも人間の盾……!」

「じゃ、遠慮なく」

言葉と共に、ミトツダイラは、胸に感触を得た。

……え?

見れば、制服の胸に、トーリの両の五指が浅く埋まっている。

「……え、ええと」

「どうだろ」

<中略>

「ん」

「……そうか」

<中略>

「ノーブラだった」

<中略>

「感謝するぜミトツダイラ! お前のおかげで、俺、自分探しが一つ終了したからよ!」

「俺、――大丈夫だ!」

「全く駄目ですわよこの馬鹿あ――!!」

ミトツダイラ(水戸松平)だけに、まっ平ら(松平)なんですね、わかります。

あぁ、ミトツダイラのひんぬーっぷりもたまらナインですが、挿絵がかわいすぎて失神しそうです。これは思わぬところでクリティカルヒット。気高いけど純粋でウブなところがたまりません。辛辣な口調がたまらない武蔵も素敵なんですが、やはり自分はミトツダイラですね。

あぁ、パイタッチ後に盛大にぶっ飛ばされたい。。

イラスト描きたくて仕方ないんですが、ちょっと資料が少なすぎるので様子見です。

その他、個性たっぷりの面々たち

「ほらこれ見えるか先生! 今日発売されたR元服のエロゲ”ぬるはちっ!”。これ超泣かせるるらしくて初回限定版が朝から行列でさあ。俺、今日は帰宅したらこれ伝纂器(PC)に奏填(インストール)して涙ボロボロこぼしながらエロいことするんだ! ほら点蔵も欲しいだろコレ!? ――ってあれ? 点蔵は? あいつの親父、店舗別特典求めて他の店にも忍者走りで行ってたけど、あいつもそっち行ってんのかな? どう思う先生?」

と、いきなり登場してからフリーダムなトーリ。点蔵の親父の忍者走りで珈琲吹いた。

「――負けですね。どうも有難う御座いました。いろいろと下らないことも多い人生でしたが、経験的にはかなり幅広いものだったと判断できます。上下のアップダウン幅として」

「いきなり悲観的な鎧だな」

「では勝てる要因を仰って下さい」

「小僧より我のほうが年上」

「老けてるだけだと判断できます」

「では、あの小僧より我のほうが偉い」

「将来ある若者と出世打ち止め親父のどちらが意味ある存在とお思いですか」

「では、――我のほうが格好いい」

「ハイハイJud.Jud」

「……お前、悲観的どころか腹立つやつであるなあ」

そしてこちらは愛情溢れる忠勝と鹿角の掛け合い。

忠勝の少年のような受け答えと、冷め切った鹿角の反応が微笑ましいんですよね。めっさほのぼのしてますが、戦闘中で佳境のワンシーンです。全然緊張感が伝わってこないよ!

やはり魅力は

多すぎて全然書ききれませんが、一部抜粋して紹介してみました。やっぱり特に魅力的なのは格好いいオッサンたちだと思います。

たとえ悪役であってもとても人間味に溢れていて魅力的なんですよね。ヒロインに関してはP-01sが自動人形的な可愛さを醸し出していたり、オリオトライ先生が可愛いんですが、僕の好みでは順当にいけば正純ですね。性格的には一番好きなんですが、まだまだ上級者向けという印象。早くデレてほしいな。というわけで上巻の個人的MVPはミトツダイラということで。

早く下巻に着手したいところです。

若干文の荒い感想なので、下巻読み終わったら追記するかもしれません。

subscribe感想リンク

subscribeこのリンク集のRSS

このエントリーをはてなブックマークに追加

PG

Author's: Italy亜人

普通の大学生です。

私のサイト一覧はこちらへ。

「このラノ!2012」投票作

Image of 丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ (角川スニーカー文庫)
»丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ (角川スニーカー文庫)
著者:耳目口 司

迫真のキャラクター描写。「変態」とは何か、を考えさせられる傑作。

Image of テルミー きみがやろうとしている事は (集英社スーパーダッシュ文庫)
»テルミー きみがやろうとしている事は (集英社スーパーダッシュ文庫)
著者:滝川 廉治

あまりにもしんどすぎる。しかし高校生にして人生の意味を振り返ることに、得も知れぬ迫力を感じた。

Image of キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)
»キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)
著者:赤月 カケヤ

ある「ズレ」た主体の自叙伝。

Image of
»"葵" ヒカルが地球にいたころ……(1) (ファミ通文庫)
著者:野村 美月

「死者の声」を死者と共に語る、弔いの物語。仮初の友情が本物になっていく過程が胸を打つ。

Image of 羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫)
»羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫)
著者:至道 流星

恒太のアジテーターとしての才能が最強すぎる。

アニマジン - アニメを批評するブログ。

RSSアニマジン

  • 話数単位で選ぶ、2011年TVアニメ10選
    表題の通り、私が本年観たアニメ作品の中で、シリーズ単位ではなく個々の挿話単位で選出させて頂きたいと思う。 尚、ルールは以下の通りである。 ・2010年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選 […]
  • クローズアップされる手の構図
    並木道の線的な姿形をモチーフに、繋がれない手から顕在化する「空白」の中心に、千早ちはやと太一たいちにとっての新あらた、仏壇の中央に構える永世名人の遺影、新にとっての祖父の像が交錯するお話。クローズアップされる手の構図が、 […]
  • コード化される暴力
    いやぁ、面白い。 『C³ – シーキューブ』はいわゆるVFX(3DCGI/撮影=コンポジット/特殊効果など)が実に効果的に機能しているシリーズだと私は思う。それによる視覚的な効果を必須としたカット割であると言 […]
  • あの校舎の外の泣きたくなるような広さに
    生きづらい世界観だなぁ。 「はがない」の舞台の校舎は少々広すぎると思った。あれでは自由度が高すぎるゆえに何をしていいのかわからなくなる。そして「理由」がなければ、自分を場に繋ぎ止めることもできない。外の空間を自由自在に使 […]
  • 孤立化する空間、物語の関数としての「地下鉄」
    まず本稿は作品の背後で暗示されるコンテクストへの言及ではなく、物語上のプロット展開の関数となったある演出への言及であることを先に表明しておきたい。 先に図式を提示させて頂くとこうなる。   改札を抜ける、あのシ […]
  • アニメーションの修辞学
    アニメーションの修辞技法は日増しに洗練されている。 しかし、そうであるがゆえに、あまりにもストイックな鑑賞の態度が受け手に要求されるという逆説を抱えており、それが作り手の仕事の質に反比例して真っ当な評価を下されないでいる […]

ajinの読書メーター

Copyright © 2012 だい亜りー. All rights reserved.
Design by: Landscaping Jobs with Charleston Personals | Cleveland Singles | Radio Technicians, Arranged by: Italy亜人