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バカとテストと召喚獣5 (ファミ通文庫 い 3-1-6)
- 井上 堅二
- エンターブレイン
麗しき家族・哀! 禁忌の愛が吹き荒れるファン待望の第5巻!!
極楽一人暮らしを満喫している明久の元に、母親からの最強の刺客が吸汗性バツグンにやってきた! アキくん大好きな彼女の出現により、怠惰で自由な生活は一変、恐怖に怯える毎日を送る明久。彼女の減点法監視生活から逃れるためには、期末試験で学力アップを狙うしかない――! 雄二、今日は帰りたくないんだよー! 「家族、か……、。はじめて明久と同じレベルの悩みを共有した気がするぜ……」(Mr.たすてけ)
ムッツリ商会も大繁盛! 禁忌の愛が吹き荒れる青春エクスプロージョンラブコメ第5巻!
「何を言っているのですかアキくん。姉さんがアキくんを嫌うわけがないでしょう?」
「むしろ、その逆です」
「え? 嫌いの逆ってことは」
「無論、大好きです」
「そ、そうなんだ……」
「はい。姉さんはアキくんのことを愛しています」
「――一人の異性として」
*
1
いや~ここまでいくとブラコンを通り越して、背徳の境地だよなぁ。
いやはや、微妙に伏線としてその存在が仄めかされてきた明久の兄弟or姉妹でしたが、なんとお姉ちゃんでしたか。確かどこかで考察を見て以来お姉さんだとは思っていたのですけれど。
というわけで、シリーズ6巻目とうとう来ました。
前回の素敵ラブフラグがどう続くのかドキドキワクワクしていたら、いきなりホモップル浮気フラグ立てて吹きました。
「雄二の家に泊めてもらえないかな。今夜はちょっと……帰りたくないんだ」
なんかしおらしいよアキちゃん! ちょっと萌えちゃったよ!
こんなメール男友達に素で送れるんだもんなぁ。そりゃあ誤解されても仕方ないよな。
「……私より、吉井の方がメールも着信も多い」
「あん? それがどうかしたか?」
「……つまり、雄二の浮気相手は吉井ということになる」
「いや、ならないだろ」
雄二と翔子のシュールなやりとりも頷ける。いやはや、クスリときちゃいました。くやしい!
明久がそんな意味深なメールを送るはめになったのは、実の姉である玲が帰国してガサ入れしに来たから……というお話でした。
いや~お姉ちゃんの天然っぷりがいいなぁ。僕もこんなブラコン全開なお姉ちゃん欲しいです。でも、つるぺたで幼児体型のほうが嬉しいな。
明久が妙に卑屈に育ってしまったのはこのお姉ちゃん(+謎の母親)のせいなんだろうなぁ~と勘ぐってしまうのですが、僕ならムッツリーニみたいになっちゃいますね(禁断の姉弟愛的な意味で。
いやはや、無条件で姉萌えのワタクシ。
成績優秀でよく出来たお姉ちゃんじゃないですか、何が不満なの明久?
本当に羨ましいんですけど。 * 2
『今は明久くんにとって大事なテストの前だから、我慢します……。でも、今度そういうことがあったら……私は、きっと……』
※久保くんの脳内ボイスで再生すると軽くしねます。 * 3
さて、今回は何気にギャグパートと恋模様のバランスが絶妙なんですよね。
翔子の家に勉強合宿にいった話は実にドキドキしたなぁ~。
よくよく見て見るとこの人、女性陣の炊き付け方が異常に巧いんですよ。
この集団の関係性において、女性陣が平行しているのをちゃんと見抜いている。
翔子は、雄二のことになるととたんに自分に自信が持てずにああいう振る舞いをとってしまうし、秀吉はひたすら受身、瑞希と美波はお互い牽制しているのだけど、同じく相手を出し抜けずにいる。
瑞希と美波って、お互いライバル視しているのだけど実はそれぞれに手に入れられないなぁと感じているモノ=コンプレックスを持っているんですよね。
例えば、美波は胸という絶対に覆らない優位性に負い目を感じていて、瑞希は明久との距離で美波に及ばないと感じている。
特に瑞希なんかは、明久と恋人になるとしたらきっと美波の方なんだろうなという諦観を抱いちゃってるんです。
だって、明久が瑞希を憧れの眼差しで見ている限り、その距離は決して埋まらないのだから。
だから、瑞希はその距離を地道に埋めていくしかない。キャラ崩壊するくらいに幻想を打ち砕いて、その距離感の認識を改めさせるしかないんですよね。
そこで、瑞希が選択したのが――
気づかない間に一気に距離も縮めてふと気づいたときにはこんなに近くにいた、という方法。
そうして、明久を名前で呼んだりと地道な努力を積み重ねていくのだけど、明久がその裏に隠された真意を全く読み取ろうとしないから焦れちゃうんだよなぁ。
そういう回りくどい方法は、明久の場合には全く要領を得ないところが難しいんですよね。
あ~瑞希が報われない。だからといって、否応なしに下の名前で呼ばせることに踏み切れないのがまた瑞希なのです。
瑞希が明久を振り向かせるたった一つの方法―ーそれは駆け引き無しに言葉で自分の想いを伝えること。
だけれども、ちゃんとしたシチュエーションで言わないと明久が誤解したり曲解したりしてしまうのが瑞希の不利なところでもある気がします。
工藤さんは、そうした瑞希の状況を的確に読み取り、積極性を引き出すよう仕向けているような気がしてなりません。
そして美波においては、まぁ胸はしょうがないとして……。 * 4
明久と二人きりでいるときは自滅してしまうくらい女の子なところを見せてくれるのだけど、もう一歩のところで想いを伝えきれないんですよね。
集団でいるときなんかは特に素直になれない。
だけれども、瑞希がアピールしていると知ると途端にいてもたってもいられなくなるんです。
それは、明久が瑞希に憧れの念を抱いていることをきちんと感じ取っているから。
そんな焦燥感が彼女に”一歩を踏み出せる積極性”を齎す。
二人にとってはこれは焦り以外の何者でもないのだけど、外から見ていると案外効果的に事が動いているように見えます。
つまり、二人の弱い部分をお互い相殺し、いいところを引き出し合うことができる。
二人の性格を巧く理解して、競争を引き出す工藤さんは絶対の傍観者を感じさせます。
目立たない場所にいるのだけど、集団の流れを自在にコントロールできるポジションにいる人っていますよね。
そして、翔子と秀吉の2人においては、直接影響を与えることはできないのだけど、間接的に舞台を提供しているような気がします。要は、ちょっとしたきっかけ。
翔子が雄二を束縛するのは、自分に自信のない裏返し。だけれども、雄二が拒否はしても、翔子を否定しないのは本当は大丈夫だからなんだろうなぁ。少なくとも雄二は翔子を信頼してる。
だって、本当に束縛が気持ち悪かったら去りますもの。
そうした二人の関係を、ちょっとしたきっかけでゴタゴタを引き出して観察しているような気がしてきます。
大丈夫だと思えるから、舞台を整えてみる。そして、絆を深めていく様子に同時に安堵しているのかな、と。雄二の体の傷も深まっていきますが。
それで秀吉はどうなのかというと……これは完全な受身なんだよなぁ。でも明久みたいな(天然・誘い・総)受け、ではない。
これは秀吉の内面的なもので、ひどく大切そうに気持ちを受け止めるよう振舞うのは底知れない寂しさの裏返しなんじゃないかな。
秀吉はいつも大切に扱われる。
でも秀吉が欲しいのはみんなのマスコット的な愛情ではなくて、誰か一人から深く注がれる愛情。そう、それは例えば熱い友情であったり、恋をしてみたいとも思っている。でもその境界が曖昧だから、こんなにも戸惑ってしまうのだと思う。
そんな憂いが、どこか妖艶な秀吉の空気感を形作っているのですね。
だから秀吉は強気に出てみなよ。みんな色気では秀吉に勝てないのだから。そう、秀吉が強く出るとみんな秀吉には勝てないのです。
それくらいしてもみんな納得しちゃうような気がするよ。そして明久から絶え間なく注がれる愛情を独り占めしちゃえばいいのです。
明久と一緒にお風呂に入りたくて拗ねた秀吉が可愛すぎて悶絶しそうになりました。
あ~これはドキドキしちゃう。
3.5巻で惜しげもなく見せてくれた肩甲骨だけで、こんなにも興奮しちゃったのに秀吉と「裸のお付き合い」なんて考えただけで身悶えちゃう。
すべすべの餅のようなお肌が妖艶に煌くのでしょうなぁ。いやはや、なんというかもうご馳走様です。
というわけで、様々な恋模様や胸のうちの葛藤がより深く掘り下げられた合宿編。
その真価が問われたお約束のオチにも大いに吹いたのでした。
お姉ちゃんの玲だったのかな。
あ~やっぱりお姉ちゃんなんだな、と。でもねでもね、お姉ちゃんもいいのだけど、本当に可愛かったのは明久だったかなぁ。
お姉ちゃん大好きな明久がもうほんとううううに可愛いの。
キュンキュンしちゃった。きちんと弟してる明久が可愛すぎる。これは反則級だよなぁ。
ちょっとした仲違いは二人の不器用さからくるもので、やっぱり姉弟なんだなぁと再確認したのでした。
今回は殆ど”召喚獣”の出てこない「バカとテスト」なバカテスでしたが、なにやら気になる伏線が交えられましたね。
まぁでも伏線無視でホモフラグに突っ切った前科があるから分かりませんけど!
相変わらずあとがきも面白すぎて、大満足のシリーズ5巻(6巻目)でした。
本当に総受けなのは井上先生御自身だと思います。
- Alles ist im Wandel: バカとテストと召喚獣(5)
- booklines.net - [井上堅ニ] バカとテストと召喚獣 5
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