[読了]プリンセス・ビター・ マイ・スウィート

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プリンセス・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)
プリンセス・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)
森田 季節
メディアファクトリー

あらすじ

理由不明の家出を繰り返す美少女、チャチャはクラスメイトから「魔性の女」と呼ばれるいわくつきの高校生。そんなチャチャと小学生の頃から付き合いのある晴之は、ある日彼女のとんでもない秘密を知ってしまう。秘密を知られたチャチャは姿を消し、そのことでチャチャへの恋心を自覚した晴之は、風紀委員の神人と共にチャチャの捜索に向かうのだが―。京都の街で巻き起こる連続殺人事件を背景に、チャチャに惚れてしまった晴之。あわれなチャチャの弟、謎の存在であるチャチャの兄の三人が、可愛くて恐ろしい女の子にその身を捧げるおかしくもせつない物語。

孤独なプリンセスと、その手をとったプリンスの恋物語。

「チャチャとは同僚なんて間柄じゃない。あいつは」

「あいつは俺の恋人だ」

プリンセスは、小悪魔の微笑みを湛える。

いや~この雰囲気堪んないなぁ。本作は、前作のベネズエラ~から数年後の世界を舞台にした、全くの別人たちが織り成すタマシイビトサイドのお話です。

前半のタマシイビトのルーツに纏わる描写は余計というか、この世界観に足を踏み入れてほしくないという願望があって、敢えて描かないでほしかったかなぁといまいち乗り切れない節がありましたが、後半の追い上げを見ていると全くの杞憂でした。

そんなものどこ吹く風で可愛くて恐ろしくて優しくて強いプリンセスの独白に痺れましたね。

あぁ、この包み込むようなポカポカとした陽気が、タマシイビトやイケニエビトにまとわりつく悲しい喪失の物語を払拭してくれる。

片方だけ事情を知っている、という状況がこれほどまでに面白い効果を生むのです。

ある人物から見たその人は、すべてを知っている。だけれどもそれを知らない自らはこんなにも奔走してその人のために突っ走ってしまうのだ。

つまるところ、僕たち読者も事情を知らない側の人間で踊らされていたというわけですよ。

物語は後半を迎えて、ここからはすべてを知る孤独なブリンセスの猛攻が幕を開けます。タマシイビトの悲しい性なんて糞食らえ! ロックを毛嫌いしていても、その体の中には熱い熱い『スクーティン・オン・ハードロック』の魂が流れている。沸点を超えてもなお沸騰し続ける自らの血が、揺れ動く乙女の恋のビートを刻みつけているのだ!

奪われたなら取り返せ! 恋の業火で絶望と落胆の雑木林を燃やし尽くために、失った記憶を奪い取れ!!

今度は私が駆け出す番だと、自らの熱い想いを胸に剣をとるプリンセスがたまらなく眩しいのでした。

いやはや、女の子の笑顔とはどうにも小悪魔なので困ります。

さり気なく、ベネズエラ~の登場人物が絡んできたりして、前作の記憶が蘇ってくるシーンにニヤニヤとしてしまいましたね。

やはりこの空気感は是非お手にとって感じてほしい。

僕が言えることはただ一つ、満泰きゅんは僕の妹!

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PG

Author's: Italy亜人

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