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今この物語を見ていて正直に思うのが、亜美の言うとおり「鬱陶しい」なのかもしれないなぁ。
原作を読んでいたときとはまた違った印象が沸いてくるからアニメとらドラ!は侮れない。
あの修学旅行の日から数週間。何事もなく過ぎていく日常の中で大河の不在が際立っていましたね。だけど、大河がいなくなったことでより分かりやすくそれぞれの思い描いている感情が見えてきたのではないかと思う。
大河を失うイメージが脳裏に焼きついて離れない竜児、今をひたむきに生きようと奔走するが空回りしてしまう実乃梨、本当は一番に『おままごと』を切望しているのに崩壊するのをただ見ていることしか出来ない亜美。
どうせ壊れてしまうなら、最初から――と俯く亜美が切実にこの関係性を象徴していたのではないかな。
このみんなに共通した『おままごと』が崩壊する原因が、他ならぬ「他人への思いやり」だったのではないかと思います。
他の人を思いやるばかりに自分の気持ちをないがしろにしてしまった、目をそむけてしまった、そのツケが大河の不在という形で大きくのしあがってしまったのではないでしょうか。
そんな事実をまざまざと見せ付けられてしまったから亜美にとっては実乃梨の独白が鬱陶しくて仕方なかったのだ。
前をみずに突っ走るから空回りするんだよ、と前をみずに俯いている亜美が言えるはずがない。そして、すべて分かっているのに踏み出せない亜美にとって実乃梨の拙い例え話は『おままごと』を想起させるのは想像に難くなくて、亜美を余計に雁字搦めにしてしまったのではないかと思います。
この二人が苦しみながらも答えをだそうともがいているのに対し、大河を失うイメージにとらわれてしまい何も見ようとしなくなった竜児が強調して描かれていた。
竜児にとってあの大河の告白は己を縛り付ける以外の何者でもなかったのかもしれない。よく分からない自分の気持ちと、大河との不通からくる不安感が竜児を追い込んでいく。この二つが綯い交ぜになって竜児を苦しめていたのではないかな。
そんな瞑目した竜児と、違う方向を向いて前に進もうとする実乃梨の取り合わせは何かの皮肉なのかもしれない。ラーメン屋での会話は以前からは想像もつかないくらいとても自然に見えたけれど、まだお互い向き合っているとは言えませんよね。本当の意味で二人の間に残るしこりは解けていない。どこかぎこちなさの残る痛々しいものに見えてしまいました。
このしこりというのが他ならぬ大河の存在なのではないかと思います。大河の姿が見えない今は、二人とも大河の方を向かざるを得ないのですよね。
そんな大切でしょうがない大河が戻ってきた。
大河を前にしていつになくぎこちない竜児が印象的でした。確実に竜児の中で大河の存在は違う形を帯びてきている。ここでその存在が大きく膨れ上がるようなら今度は決して間違ってはならない。
だがしかし、この踏ん張りがきかないかもしれないという不安感がどうしても拭えないのだ。
ここで竜児の目を必要以上に覆ってきた進路や家庭環境というファクターが同時進行的に広がりを見せていきます。
今まで『とらドラ!』という竜児と大河の物語を構成するための必要条件であった「親子関係の希薄さ」というテーマに落とし込んでくるのだからやはりこの物語は凄いと言わざるを得ない。
収束に向けて伏線は張り巡らされた。
この竜児と大河の恋の物語が果たして『恋人』として成就するのか、はたまた『家族』として帰着するのか静観していきたい。
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