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鉄腕バーディーDECODE (ガガガ文庫)
- 浅川 美也
- 小学館
惑星連邦捜査官バーディー・シフォン=アルティラは、重犯罪者ギーガーとバチルスを追って地球へと辿り着いたが、
潜伏捜査中に誤って地球人“千川(せんかわ)つとむ”の命を奪ってしまう。バーディーは自らの体につとむの記憶と心を宿すことを決断、
二心同体の不思議な“同居”生活が始まった! アニメでは語られなかった生物兵器“リュンカ”の謎と神秘に迫る!
「週刊ビッグコミックスピリッツ」好評連載中のゆうきまさみ作品をアニメ化した『鉄腕バーディーDECODE』、
人気ヒロイン中杉小夜香(なかすぎさやか)を大フィーチャーした小説版登場。
「死んだわ、あの人」
「え?」
「私の糧となり消えた」
「小夜香……?」
「ねぇつとむくん、一緒に世界の果てまで行こう」
脚本の淺川美也、主力アニメーターのりょーちもにうっけを交えたアニメ版鉄腕バーディーDECODEのスタッフが送るダイジェスト版といった趣の一冊。
もしくはつとむと小夜香の関係性に焦点を当てたディレクターズカット版と言ってもいいのかもしれない。
ストーリーの流れはアニメ1期の内容ほぼそのままですが、ノベライズされることによって丁寧に描写された心情描写と、シーンごとに入れ替わる各キャラクターの主観視点がアニメとはどこか違う新鮮さを演出していたのではないかと思います。
テンポ良く流れるシーンも爽快で、アニメ1期で放映された内容が2時間の劇場版長編に再編集されたような感覚でしたね。
特により深く掘り下げられた小夜香の心情描写は、恋する乙女の甘さ宛らのベタ甘さなのですよ。それに呼応するかのように、ちょっぴり不機嫌なバーディの主観がまるで嫉妬しているようでニヤニヤしちゃったかな。
文字通り生まれ変わった小夜香の日常。目まぐるしく流れていく彼女の新しい日々が、鮮烈な思い出として刻まれていく様子にドキドキとしてしまいました。
しかしその日常は一変する。
小夜香の中で次第に大きくなっていくつとむの存在が、次第に切実さを帯び始めるようになってきて彼の面影に依存していく姿に胸を締め付けられるようだった。
アニメとノベライズの違いというと、特に”少女としてのリュンカ”に踏み込んだのが面白かったと思う。アニメではおぼろげにしか見えてこなかった一面がすんなりと頭に入ってくるようでしたね。
何故リュンカが小夜香を選んだのか。その理由がはっきりと明確に感じられてうなってしまうのですよ。寂しくて寂しくて堪らない、ならばいっそ一緒になってしまいたいという思いが大切な人の存在を握りつぶしてしまう二律背反。兵器として生を受けた少女リュンカの想いが小夜香にシンクロしていく様子が切なかったなぁ。
スピーディにテンポ良く物語は進む一方、つとむと小夜香の二人だけのラブストーリーとして再構築された「鉄腕バーディーDECODE」。
アニメでは見えてこなかったそれぞれの純粋な想いが、丁寧に紐解くように垣間見えて高水準でクオリティの保たれた良いノベライズ作品でした。

![[読了]鉄腕バーディーDECODE あの日の小夜香へ](http://blog.ajin.jp/wp-content/cache/ttftitles/46019668a19ab28cc771bab60e8043bf.png)

















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