戦場のヴァルキュリア #08 紐解かれる歴史

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「戦場」という、大地を踏みしめて。 

やはりセルベリアの正体はヴァルキュリア人だった。

バリアス遺跡に満ちたラグナイトがヴァルキュリア人の能力を覚醒させたわけだが、セルベリアの人間離れした動きはちょっとみていて驚いたなぁ。一体この遺跡には何が隠されているのだろうか。

そんな秘めたる歴史へと”差し迫ろうとする動き”がとても印象的な回でしたね。

ただ、その隠された「何か」は帝国軍にとって都合の悪いモノだったらしい。

繰り出される遺跡への砲撃の中で、がけ崩れを起こし騒然する一同の姿が非常にスリリングで画面から目が離せなかった。

そんなとき、僕の中で感じていたもやもやがようやく形を結ぶ。

なるほど、戦場のヴァルキュリアは「戦争」じゃなくて「戦場」を描いているんだなぁ。

この違いがとても大きい。今回のエピソードから物語に伝奇的な側面が形を現したことでよりその性質が色濃く滲みでてきたように思います。

構造としては「戦場」という枠組みの中で「戦略性」と「歴史」が並列している。

そうした背景の中で、丁寧に描かれていく人間ドラマこそが戦場のヴァルキュリアが本当に描きたい「絵」なのかもしれない。そしてそれがこの作品の最大の魅力でもあります。戦争モノにおいて、「戦場」に特化することで「戦争」の記号的な悲劇性を描く必要が無くなる、というのも大きい。大事なのは記号的な悲劇性によって語られる「テーマ」じゃないんだよ、いまそこにある「ドラマ」なんだよ!

「戦略性」と「歴史」といった一見交わることのなさそうなファクター同士が、「戦場」という枠組みの中で並列されることによって「戦場」へと志向しようと試みる動きが生まれるのだ。

すべては「戦場」へと昇華される。

そこで繰り広げられる「ドラマ」こそがこの作品の一番描きたいポイントなんじゃないかなぁ。そう、思わせられる確信に似た「何か」を感じさせられたエピソードだった。

うん、今回もとても味わい深いドラマが描かれていたよ。がけ崩れを起こした洞窟内で、ファルディオがウェルキンとの出会いを回想しながらアリシアに読み聞かすシーンはとても良かった。しっとりとした空気感の中で、変わらないウェルキンの人柄がなんともいえない抱擁感を場に演出するのですよね。絶対奴は生きている、そんな「祈り」がとても愛おしい。

案の定ウェルキンは生きていた。そしてお約束の”奇策”でピンチを奪回する様子にはニヤニヤがとまらなかった、かな。

今回のエピソードは帝国軍サイドの事情が中心だった。マクシミリアンの思惑は帝国の意思というよりはセルベリアの血筋を根拠にした個人的な妄執のようにも思えました。少しずつ小出しに明かされていく事実はやがて物語を「戦場」へといざなっていく。

表面上の動きはあまりなかった、けれどこのエピソードは「戦場のヴァルキュリア」の「土台」を強く固めたお話だったのではないかな。

「戦略性」という不確定要素を「歴史」が裏打ちすることで物語は「戦場」へと揺れ動いていく。そんな予感めいたものを感じさせたエピソードでした。

明日へのキズナ
明日へのキズナ
SMJ2009-05-27
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