星の方舟に乗せて、そして二人は―― DARKER THAN BLACK 流星の双子 (最終回)#12 「星の方舟」

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「太陽」の神アマテラスと、「月」の神ツクヨミの関わりを連想した―― #11 「水底は乾き、月は満ちる・・・」 星の方舟に乗せて、そして二人は―― (最終回)#12 「星の方舟」 #2 「堕ちた流星…」

テレビ版エヴァのラストを彷彿とさせる予想の斜め上に繋がった超展開。率直な感想を言えば、物語のタームはこれ以上ないくらいにかっちりっとはまったと感じたのですが、今までの辛気臭い展開を思い返すとノアの方舟が行き着いた先はあまりにも違和感のありすぎる新世界でした。個人的な感想としては、コピーされた地球に傾倒するか、あるいはスオウが目を閉じた辺りをラストにどちらか一方へ突っ切ってほしい思ったのですが、相反する、けれど相似の「双子」を示さざるをえなかったのが、この物語の行き着く終着点だったのでしょう。結果として、受け止め方に戸惑ってしまう作品になってしまったのではないかと思います。

最終話の内容を見つめていく上で、当ブログでも11話の幕引き * 1 から最終話の展開を予想していました。

「太陽」の神アマテラスと、「月」の神ツクヨミの関わりを連想した―― DARKER THAN BLACK 流星の双子 #11 「水底は乾き、月は満ちる・・・」 » だい亜りー

弓張月が満ちたとき、イザナギとイザナミは出会い、イザナミを元にコピーされた”ツクヨミ”なる第三の某が生まれた。というのが最終回で明かされるであろうアバンの風景が引き起こされるまでの省略された過程ではないかと予想してみました。

結果としては大外れもいいところだったのですが、その土台の枠組の認識は概ね捉えられていたようです。アマテラス/ツクヨミ軸への発展は読みすぎだった。けれどイザナミ * 2 /イザナギ軸に忠実にしたがって展開した本編は、それら両者と世界の関わりにおいて『日本神話 * 3 』をモチーフにとれる共通項も散見されていたように思います。そして12話の最終回は、これら土台に冒頭から引っ張られてきた折り紙の方舟のイメージ、ないしはスオウとシオンの「過去の記憶」に立脚した『ノアの方舟 * 4 』的な結末へと接続されたのです。

それでは最終話のエピソードを追って行くことにしましょう。

「月」の正体について ――「未来の記憶」に迫る

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そもそも”弓張月”から満ち満ちた「月」の正体がコピーされた地球だった時点で、同時にツクヨミの線も消えたわけなのですが、これは「夏の太陽」が「過去の記憶」の表象として繋がれてきた文脈の中で、「月」のイメージが表出することで「月」と「未来の記憶」が関連づけられるミスリードがうまく機能していたように思えます。「太陽」と「月」が対となるイメージが形成された時点で「月」から「コピーされた地球」への発展を予想させないようにしていたのですよね。そればかりでなく、「夏の太陽」と対になる「冬の月」は単に見せかけだったわけではなく、ヘイに恋するスオウの心象表現としてはちゃんと機能していたのです。この辺りが構成の妙でもあります。

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そしてスクリーンディレクションでみると( →水着と道路標識にみる「太陽」の表象 ――DARKER THAN BLACK 流星の双子 #8 「夏の日、太陽はゆれて…」 )、本作では「過去の記憶」の向きに位置づけられている左方向へとスオウとシオンが歩みを深めながら久しぶりの邂逅のなかで言葉を重ねていく。

「イザナミ」とインの関わりについて ――本当の再会を望んで

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もう、イザナギとイザナミは出会っている。

ここでもまた最終話予想に間違いがありました。まだ、11話時点に おいてイザナミとイザナギの出会いは果たされていなかった。しかし、乾いた水底を、しいては「水底」という言葉自体に抱いていた違和感の正体にようやく思い至ったのですよね。そもそも本作の狭義のイザナミというのは、ドールの観測霊から延長線を引く形で発展した像にあったのです。だから伝達の媒体として水が充てがわれる。そしてこの「乾いた水底」というのは、インから立脚した「イザナミ」が、彼女の実体から浮遊して自らの足で歩みを深めて「イザナギ」に接触することを示唆していたのです。これでようやく合点がいった。

だからヘイはイザナミの抜け殻であるインの肉体に再会を果たすし、イザナミとなった彼女に会うために中心核へと突入する筋書きへと接続される。その配列されたシークエンスにおいて、ヘイと葉月の闘いがあっという間に終わったのと、鎮目の裏切りとCIAの台頭、しいては葉月の復讐が成就される繋ぎの鮮やかさといったらないでしょう。

そして本作のイザナミと日本神話の関わりについても、日本神話の筋書きを踏襲する形で黄泉比良坂は中心核に、葦原中津国(地上)は東京の街――しいては「地球」という枠組みにまで広がりをみせ、黄泉国が「コピーされた地球」にまで発展したわけですね。そしてそれら二つの地球を繋ぐゲートとなるのが、ほかならぬヘルズゲートだったのです。そこからイザナミ/イザナギの役目は浮遊して、科学技術に裏打ちされていた「未来の記憶」の成就、ゲートを介して死者の魂をあちらの地球へと送り出す『ノアの方舟』への筋書きを描いていた。

「地球」「コピーされた地球」を指し示していた『流星の双子』 ――星の方舟に乗せて

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「地球」と「コピーされた地球」の双子、スオウとシオンの双子、そしてスオウとヘイの隣り合うifさえもが折り紙の『流星の双子』となって文脈をかえながら見事にそれらの肉体表現を想起される表象として隣り合う様々な双子たちを指し示していたように思います。

こうして予想を大きく裏切る形で、本作の要となる「流星の双子」が指し示されたわけですが、スオウの転生からさらにもう一度転生することで新しい日常を得ることができたのは素直に見届けてあげるべきなのかもしれません。

恋するスオウと「冬の月」―― DARKER THAN BLACK 流星の双子 #10 「偽りの街角に君の微笑みを …」

自分が自分でないことを半ば受け入れながらもどう受けとめていけばよいのかはかりかねているスオウの戸惑いが、母親の語るスオウの出生の秘密によって瓦解し、やがてヘイにすがりつくほかなくまでが切ないお話だったかな。

どうなのかな……スオウは。ヘイに恋した記憶は喪ってしまったのだけど、偽りの肉体に刻まれた「過去の記憶」は、棄てられることに、そして生まれ変わるということに意味があったのでしょう。不連続な記憶、私とはなにか、そうした葛藤を経て向こうの地球に転生したスオウにはエールを送ってあげたいな。

そして向こうのスオウは本作で云う「未来の記憶」の向きに向かって駆け出していったのでした。

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生まれ変わったスオウにとって「未来の記憶」とは彼女がこれから歩みだす未来に他ならない。

反対に喪失したシオンにかかってくるのが契約者たち地球サイドの住人たちだといえるでしょう。

ノアの方舟が飛び立ったなら、契約者にとってのきっかけとなったノアとはシオンのこと。それらの幕引きを託す形で「組織」の残党として契約者の地球の中で生きていくことを決めた未咲さんも物語を紡ぎ出していくのかもしれませんね。そうして組織は駆逐され、葉月の家柄の伏線はそうした「組織の時代」の総体として回収された。

あちらとこちらを結ぶ方舟は、『流星の双子』の姿を借りて夜空に輝き続ける。

尻すぼみ感は否めなかったかもしれません。

けれど少なくとも、それら両者の世界へと広がりを見せた物語を受け止める心の準備はできたのではないでしょうか。

  1. 最終話放映20分前に投下。もし放映後まで粘っていたら多分投稿できなかったと思いますw 本文は確か火曜日くらいに用意していました。 [ ↩back ]
  2. イザナミ – Wikipedia [ ↩back ]
  3. 日本神話 – Wikipedia [ ↩back ]
  4. ノアの方舟 – Wikipedia [ ↩back ]
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Itary亜人:ラノベと深夜アニメが主食の装飾系(webデザイン趣向的な意味で)ヘタレ男子。
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